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会社設立と電子定款について

 起業支援のメインは、会社設立(法人設立)です。

 最近は法務局も親切ですので、ご自身で会社設立をなさる方も増えていらっしゃいます。しかしながら、市販のマニュアルと法務局の担当官の指示により、とりあえず会社設立を完了することができたとしても、事後的に問題を抱える会社も少なくありません。

 たとえば、資本金1千万円程度の同族会社でありながら、株式の譲渡制限の登記がされていないとか、定款に定める第一営業年度が設立日より一年を超える日を指定してある等々。このような不具合を抱えたまま設立登記を完了してしまうと、後々、いくつかの面で弊害を生じることがあります。事後的に余分な出費を余儀なくされる場合も出てきます。

 そのような会社に出会うと、なぜ当初からプロに依頼してくださらなかったのか、と残念に思います。会社経営で重要なことのひとつには、外部の専門家を上手に利用することが挙げられます。もちろん、何もかも丸投げしてしまうことは、逆に経営を圧迫する要因になります。まずはその道のプロに相談してみて、どの部分は依頼し、どの部分は自分で処理するか、十分ご検討のうえ、納得のいく関わり方をしていけばよいのではないでしょうか。



 会社設立について、ある程度ご自身の手で行いたいという方は、まず、会社設立の手順を把握していただくことが必要となります。会社設立の仕方については、多くの市販の本が出版されていますので、それらを参照していただくことをお勧めします。文章の多い本、図が多い本、厚い本、薄い本、様々ありますが、何冊も購入する必要はありません。書店で手にとって、ご自身が一番読みやすい本を一冊購入していただければ十分です。その本に不明な点、不足点があれば、インターネットで検索して追加調査すればよいからです。

 ここでは、電子定款・電子公証の仕方について解説してみたいと思います。電子定款による認証については、まだ一部の事務所でしか取り扱っておらず、しかも取り扱っている事務所の多くが首都圏に集中するという、地方で起業しようという方にとっては、出足から地域格差に泣かなければならない状態になっています。

 しかし、以下に記すように、電子定款を作成するということは、決して難しいことではありません。今、インターネットでこのホームページを閲覧してくださっているお客さまにとっては、容易に理解できる内容だと思います。

 当事務所では、電子定款の作成のみでも承っております。その場合は、電子定款作成代理手数料のみを頂戴することになります。ただし、定款の内容の検討、見直し、修正等もご依頼いただく場合は、会社設立一式をご依頼いただく場合と同一料金になります。


■□■電子定款・電子公証の手続きの流れ■□■

Step.1−>定款の作成

 電子定款を作成する前に、通常の紙ベースで作成する場合と同様、定款をWord、一太郎等ワープロソフトで作成します(通常の場合と同様といっても、手書きではなくパソコンを使ってデータとして作成します)。そして、その作成したデータを、PDFファイル変換ソフト(アドビ社アクロバット等)を使ってPDF形式のファイルに変換します。

 これに署名プラグインTYPE-J(またはリーガル社のタイプ1-G)を使い、指定機関が発行した電子証明書を付加する形で電子署名をします。代理人に委任せずに、発起人本人が定款作成をし、認証を受ける場合は、公的個人認証のツールである住基カードも利用できます(発起人が個人の場合)。発起人または社員が複数いる場合は全員がこの方法で署名します(最大10名まで可能)。

 なお、小規模な会社ではほとんどあり得ませんが、個人と法人が共同で発起人ないし社員となって会社を設立する場合、同一の電子定款に個人の電子署名と法人(代表者)の電子署名が併存することになります。この場合、法人(代表者)の電子署名は電子認証登記所から取得したものを用います。

 定款を代理作成する場合は作成代理人の電子証明書で電子署名をしますので、依頼人は電子証明書を取得する必要はありません(委任状を書面で作成する場合)。


Step.2ー>認証の嘱託

 作成済みのPDFファイル文書を法務省オンライン申請のシステムにアップロードし、指定公証人と連絡を取った上で、公証役場に認証を受けに行きます。ファイルの送信はオンラインで行うものの、認証の場面では必ず出向かなければならず、オンラインで認証を受けるという方法は現在のところ認められていません。したがって、行政書士が代理で行うような場合は、行ける範囲内しか代行できません。

 なお、後記のとおり、認証を受けようとする定款に誤字脱字や訂正が必要な部分があると、紙ベースでの場合の捨印による修正ということが不可能ですので、事前に定款をプリントアウトしたものを公証役場で見てもらうなどの対策を事前に準備しておく必要があります。

 また、指定公証人が出張などで不在の場合もあるので、訪問する際はあらかじめ確認しておいた方がいいでしょう。

 代理人が嘱託を申請する場合は委任状が必要ですが、委任状は従来どおり書面で作成し、委任者の実印を押捺し、印鑑登録証明書を添付します。

 委任状もPDF形式の電子情報にして委任者が電子署名して作成するという方法も可能ですが、この場合、委任者全員の電子証明書を取得する必要があります。


Step.3−>指定公証人による認証

 公証人は法務省オンラインシステムにアップロードされた定款文書に付された電子署名の有効性を確認し、その上で、文書、定款の内容を審査し、問題がなければ認証を付与します。定款認証には(1) 自認認証(本人)、(2) 自認認証(代理人)、(3) 自認認証(本人兼代理人)の3つのパターンがあります。

(1) 自認認証(本人)
 嘱託人本人が公証人の面前で定款文書に電子署名した旨を公証人に陳述したことを認証するものです。 定款代理作成者の認証嘱託の場合はこの態様になります。

(2) 自認認証(代理人)
 本人が定款文書に電子署名したことを自認する旨を代理人が公証人に陳述したことを認証するものです。

(3) 自認認証(本人兼代理人)
 嘱託人のうちの一人が他を代理して嘱託し、自分を含む嘱託人全員が電子署名したことを自認する旨を公証人に陳述した場合です。

 内容などに問題がある場合、そのままでは認証できないこともあり得ます。また、誤記や脱字などがある場合、従来の紙文書では捨て印による加除訂正が可能でしたが、PDF形式のファイルでは編集が困難です。したがって、前述のとおりあらかじめチェックを受けておくことが必要になります。

 認証が済んだ電子定款は持参のFDに書き込まれた状態で嘱託人(代理人)に返還されます。従来の書面による定款認証の場合、認証済み定款1通は公証役場で保管していましたが、電子定款については、嘱託人の申請がある場合のみ、1件につき300円で20年間公証役場で保存されます。


Step.4−>認証後の手続

 法務局での登記申請は認証済みの定款の入ったFDを提出します。このほかの添付書類については法務局の指示に従って用意します。

 なお、定款は重要な文書ですから、FD以外に、書面謄本も作成しておいた方がいいでしょう。定款の謄本を作成する場合は、認証の嘱託の際、定款をプリントアウトしたものに謄本文書を添付する形で作成します。書面謄本の作成手数料は 700円+(枚数−1)×20円 です。


まとめ

 以上が電子定款・認証の手続きの流れです。具体的に何をやればいいのかわからないと、何だか難しそうなイメージがありますが、電子定款の認証とは、上記のように、紙で出していたものを、特定の場所に対してはFDで出す、そうすると、紙に自署押印していた部分が同じように処理できないので、個人認証によってこれに代える、というだけのものです。

 ただし、個人認証のシステムは、現在はまだ未成熟で、民間会社の特定のソフトを購入しなければならない等、ご自身でなさる場合にはコスト高になります。

 将来的に、認証局から無償で交付されるソフトで作成できるようになり、さらにオンラインで申請し、オンラインで回答をもらえるようになると、大変便利になると思います。

 このように、現在はまだ便利とはいえない電子定款ですが、印紙代4万円を節約するという目的で、多くの方が利用するようになってきています。やってみたいという起業家の方は、ぜひ当事務所までご連絡ください。



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